ハンドメイドレザーウォレットが出来るまで
メンランドで使用している素材は長年の使用にも耐えられる様にそれぞれの使用特性に合わせて厳選したものを使用しております。
ウォレットに使用する革とベルトに使用している革を多脂革と表記していますが、見た目は同じ革に見えても革に含まれる油分やロウ分の含有率を変えてそれぞれの使用特性に合わせて使用します。細部に至るまでこだわりを持ち製作をしていますので実際に注文を頂いてから数週間~数ヶ月お待たせしてしまうこともありますがお客様には最高のクオリティーでお届けいたします。
作品全てを総手縫い・フルハンドメイドで製作しております
1、荒裁断
各パーツを1枚革革から裁断していきます
2、本裁断
仕上げのラインに沿って本裁断します
3、下地処理
革の裏側に磨きをかけていきます 重なって裏側が見えなくなる部分も手間暇を惜しまず丁寧に そうすることにより使用する全てのパーツのコンディションをチェック
4、飾り念引き
専用の道具を使って飾り念を入れていきます
5、コバ仕上げ(内装)
コバ面もしっかりと面を取り、磨きこむことで硬く締まったツヤのあるコバに仕上げます
6、縫製準備
各パーツ毎に縫製ラインに沿って下穴を空けていきます
7、内装パーツ組み付け
2本の針を使いって手縫いで丁寧に縫い上げていきます
8、外装パーツの仕上げ
外装部分と内装部分は並行して進めていきます
9、本縫い・最終仕上げ
外装と内装を接着剤を使い接合して本縫いしていきます 縫い終わったら接着面のコバを仕上げます
10、完成
最終チェックが終わったら一旦クリーニングを施します 革のコンディションを見ながらオイルアップを施し完成です
使用素材について
革|genuine leather
主に革の中でも染色や塗装を一切行なわずに素仕上げされた天然皮革のフルベジタブルタンニンレザーを使用しております。
このフルベジタブルタンニンレザーは天然樹木から抽出したタンニン液(渋)を満たした樽に1ヵ月半以上じっくり時間を掛けて漬け込んだ皮を、熟練した職人さんの手によって丁寧になめし上げた多脂革で表面は繊細で小さなキズや汚れも付きやすいデリケートな革ですが、革本来の感触を一番味わえます。特に染色などが施されていない生地色は変色し易い為、革自体に染み込んでいる油分やタンニン成分が、太陽光に当たることにより色に深みが増しブラッシングや空拭きすることによって独特のツヤを醸し出します。
他、アメリカやヨーロッパの輸入革、コードバン、ガルーシャ(エイ革)、クロコダイルやリザード、ダイヤモンドパイソンなどのエキゾチックレザーも取り扱っております。
縫製|総手縫い
革には繊維の方向や目というものがあり、吟面との具合を見ながら裁断し革の切り口一つ一つをきれいに仕上げて縫製に入ります。縫製はサドルステッチで2本の針で革の表裏からそれぞれ針を刺して縫い合わせます。この縫製は完全な手縫い(cousu main)でないとできない為、ミシン縫い(マシンステッチ)と比らべるとはるかに手間暇が掛りますが片方の糸が仮に擦り切れてしまっても、もう片方の糸が縫い目をがっちりホールドしていますので縫合部がほつれ難く、修理の際もほつれや切れたところのみを部分修理することが出来ます。
革はなめされた時期や季節によって微妙に繊維の硬さが違いますのでそれを見極めながら素材に合ったテンションで縫製していきます。熟練度が増すと見た目の美しさも合いなり芸術の域に達します。かのエルメスのケリーバックなどもこの技法で縫製されているのを見ればお解りになるはずです。
※時計のベルトなどによくcousu mainと刻印されているのは、フランス語で手縫いと言う意味です。サドルステッチはフランス語ではクゥジュ・セリエ(クチュール・セリエ)と呼ばれ共に馬具縫法を指す意味。
身に付けるほどに身体に馴染むベジタブルタンニンレザー
サドルレザーは、植物性タンニンでなめされた牛革で、日光などによって革の色が濃くなっていきます。自分の手の油分や水分などを吸収しやすいため、汚れやカビにはデリケートな革ですが日頃のケア次第では独特のツヤと飴色に変色していく味わいをお楽しみいただけますので、身につけるほどに体に馴染み、そして自分だけの風合いを楽しむことが出来ます。